Keywords & Topics No7 |
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36.米国アイビーリーグ大学訪問~残り4大学ツアー訪問記~ 米国東部の世界屈指の名門私立大学8校からなるIvy Leagueのキャンパスツアーをライフワーク?としてきたが、遂にこれを完遂できた。 2010年6月に4大学(コロンビア大、プリンストン大、ハーバード大、ペンシルベニア大)+MITのキャ ンパスツアーを実施した。(このHPのKeywords & Topics No4にて詳細報告) あれから6年経って、2016年9月12日~17日の間に残る4大学(ダートマス大、ブランウン大、イエール大、コーネル大)のキャンパスツアーは土地勘がない中、妻と二人で何とか完成できた。 欧米の大学は毎日数回に亘って、大学主催のキャンパスツアーを熱心に実施している。 日本の大学は主として夏季の特定日に限って一斉に「オープンキャンパス」と称して集中実施しているのとは大きく異 なる。 <ダートマス大学構内、2016年9月12日、13日> ・何と大学構内に唯一?の豪華なホテル=HONOVER INNが存在している!(写真下左) ・全米最古のビジネススクール=TUCK経営大学前にて(同中央、右) ボストンより北西約300㎞ニューハンプシャー州の小さな町ハノーバー(人口1万人の小さな町)に立地。ダートマス大学の影響で、18-24歳の年齢層がハノーバー町の1/3以上、町民の3/4以上が学士、修士以上の学位を持つ者も総人口の4割を超える。 スクールカラーはグリーン。学士課程の大学生4400人主体であるが、医学・工学・経済等文系・理系の大学院課程院生1900名を持つ総合大学と称される。しかし、学士課程教育を最重視する姿勢を強調するため、自らを「単科大学」と呼称している。 アイビーリーグ中では最も小規模な大学。全米最古のMBAであるTuck経営大学院は全米Top10にランクされている。 ・キャンパス、校舎の一部(左) ・ネルソン・A/ロックフェラーセンター:学生・教員・地域住民に対し、公共政策や社会科学全般に関する交流・学習の機会を提供するために設立された。(写真中央、右) 映画『アニマル・ハウス』はダートマス大学の社交クラブを物語の舞台としている。出身者は多方面で活躍している。ジェフリーR・イメルトゼネラル・エレクトリック会長兼CEO、猪谷千春オリンピックスキー男子回転銀メダリストなど。 <ブラウン大学構内、2016年9月13日、14日> ダートマス大学近くのレバノン地域空港から小型ジェット機にてまずはボストン空港へ(約40分)。ボストン空港駅から南へバスにて1時間半でロードアイランド州プロビデンス市(人口約17万人)に到着。 ブラン大学のキャンパスはプロビデンス東部の丘陵地の高台にある。ホテルから徒歩で約10分程丘陵を登ると自然と融合した「メイン・グリーン」と呼ばれる芝生公園を中心に綺麗なキャンパスがデザインされている。 大学を純粋な研究・学問の場として捉え、ビジネススクールやロー・スクールなどの専門大学院の設置を拒み続けている。このため日本では知名度は低いが、学部課程はその教育レベレの高さから全米随一の名門校とされる。学生の満足度は全米1位の人気を誇る。 人気の理由は独自のカリキュラム、前衛的な教育、世界トップクラスの教授陣。保守的なイメージが強い他のアイビーリーグ諸校と対照的に進歩的な政治姿勢を貫徹している。 学部生5800人、大学院生2100名規模。古風な落ち着いたキャンパスは素晴らしい!芝生や校舎の階段などに学生がPC片手に勉学に励んでいる姿が沢山見られ、学問の道場の雰囲気溢れている。
慶応義塾大学の創始者 福沢諭吉がジョン万次郎の勧めでこの大学で学んでいる。 <イエール大学構内:2016年9月14日、15日> プロビデンス駅からアムトラック(列車)で南へ1時間20分走り、コネティカット州ニューヘブン市(人口13万人)に到着。 ニューヘブン(ユニオン駅)からタクシーで5分でホテル到着。目の前がイエール大学のキャンパス。 イエール大学は、ハーバード大学、プリンストン大学とでBIG3と呼ばれる。西海岸の名門スタンフォード大学を加えBIG4と言われる。ハーバード大学が「リベラル」とされるのに対し、イエール大学は「保守色」が強い。
ロースクール(法科大学院)は全米最難関としてして知られる。学生数は学部・大学院合計で11500人(ハーバードは21000人) アイビーリーグのアメリカン・フットボール最終戦は、伝統的にハーバード対イエールである。ハーバードが「学問研究の中枢」として語られるのに対し、イエールはこれまでに5人の大統領を輩出しているのを引き合いに「国家権力の中枢」として語られることもある。 7階建のスターリング記念図書館の蔵書数は1100万冊を超え、大学図書館としては世界第2位(1位はハーバード大学)。 イエール大学出身者は多士済々であるが、ビル・クリントン大統領、ヒラリー・クリントン国務長官夫妻、ポール・クルーグマンノーベル経済学賞受賞者、浜田宏一イエール大学名誉教授、川口順子元外務大臣、野口悠紀雄、猪口邦子氏など著名人多数。特に川口氏はイエール大学の紹介パネルに世界の著名人と共に紹介されている。 <コーネル大学構内:2016年9月16日、17日> イエール大学があるニューヘブン(コネティカット州)からアムトラック(列車)で2時間かけてNY市に一旦帰還。 事前に日本語のネットで調査したところ、NYニューアーク・リバティ国際空港からイサカ・トンプキンズ地域空港でコーネル大学のあるイサカ市に行けるとの説明あり。この航空便数が少ないうえ高額(一人250ドル)。 そこで、NY市より500㎞西にあるイサカ市までノンストップで4時間半かけて、高速バス(グレイハウンド)にて到着(一人40ドルと何と割安か!) 名門コーネル大学が所在するイサカ市(Ihaca)人口僅か29千人の小都市。コーネル大学のキャンパスはイーストヒルの急斜面にある。キャンパス内に渓谷や滝や湖(BEEBE LAKE)を有する広大な敷地。米国西部の名門大学スタンフォード大学並みの広大なキャンパスである。
コーネル大学は世界でも珍しい半官半民(公立かつ私立)の大学で世界屈指の名門大学。特に機械工学、生命科学、物理学、建築学、コンピュータ工学、経学学、医学、農学分野世界最高峰と評される。ノーベル賞の全部門で受賞者を輩出するなど、研究・教育の両面において世界最高水準を保持している。学生数は2万人。
大学時代馴染みのある制度派経済学の創始者ソースティン・ヴェブレンの母校とは何とも懐かしい。またノーベル経済学賞の計量経済学者ロバート・エンゲル、数量経済史のロバート・フォーゲルも輩出している。因みに一橋大学教授・国際政治学者・ウイーン政府代表部公使の秋山信将氏の留学先でもある。
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